PC-9801のRGB31KHz化改造

PC-9801シリーズのアナログRGB出力には「専用高解像度ディスプレイ(24.83KHz)」しか接続できません。しかし、現在主流のマルチスキャンディスプレイはAT互換機のVGAである31.5KHz以上しか対応していないものも多く、そのようなディスプレイに古いPC-9801を接続して画面を映すことは不可能です。原理的にはマルチスキャンディスプレイを改造することにより24.83KHzを映すことも可能だとは思われますがリスクが大きく現実的ではないため、ここではPC-9801本体の方を改造してアナログRGB出力の水平同期周波数をATのVGAと同じ31.5KHzにする方法を紹介します。

この改造は大多数のPC-9801シリーズに有効です。PC-9821シリーズとPC-9801BA2以降のBAファミリー(BA/BX/BS)の場合には標準で31.5KHzを出力できるモードを備えているため、この改造は必要ありません。
31.5KHz対応機種では「GRPH+1」キーを押しながらリセットで24.8KHzに、「GRPH+2」キーを押しながらリセットで31.5KHzになります。

また、この改造はハンダゴテを使用してマザーボードに手を加えるものですので、はんだ付けに経験のない方にはお勧め出来ません。もちろん、この記事を参照したことにより生じた如何なる事象にも当方に責は無いものとします。



原理

PC-9801内部ではRGB信号の水平同期周波数である24.83KHzを生成するために21.0526MHzのクリスタルオシレーターを使用しています。この21.0526MHzのクリスタルオシレーターを変更して31.5KHzを得たいわけですが、そのためにはどの周波数のクリスタルオシレーターが必要かは以下のようにして比を取り、計算します。

求めたいクリスタルオシレーターの値をXとすると
24.83KHz:21.0526MHz=31.5KHz:X
内項の積と外項の積は等しいので
21.0526×31.5=24.83X
X=663.1569÷24.83=26.70788964962…≒26.7MHz

以上の計算より、31.5KHzの水平同期周波数を得たい場合には26.7MHzのクリスタルオシレーターを用意すれば良いことが判ります。が、丁度ぴったり26.7MHzのクリスタルオシレーターは無いので適当に26.7MHz付近のものを買ってきましょう。もちろん、31.5KHz以上にしたい場合には数値を変えて再計算すれば良いわけですが、あまりに高い周波数を得ようとしても基板上の半導体のほうに限界値がありますのでうまくいかないこともあるかもしれません。また、本体の種類や基板のロットによっては31.5KHzですら動かないものもあるかもしれません。そのような場合には当たりが悪かったと思って諦めましょう。



交換手順

本体の機種によって相違はあるかもしれませんが、大体手順は以下のようになります。

  1. 26.7MHzのクリスタルオシレーターを購入してくる
  2. PC-9801本体を完全に分解し、基板を取り出す。どこになんのネジが付いていたか憶えておく事。
  3. 基板上にある21.0526MHzのクリスタルオシレーターを探し、ハンダ吸い取り機でハンダを吸い取り外す。
    両面基板なのでハンダ吸い取り線では不可能。また、加熱しすぎに注意。付いていた向きも憶えておくこと。
  4. クリスタルオシレーターが付いていた場所にICソケット等をはんだ付けする。
    これは、もし31.5KHz化がうまくいかなかった場合や元に戻したいときに素早く復旧出来るようにするため。
  5. 買ってきた26.7MHzのクリスタルオシレーターの足の長さを調節(切断)し、ICソケットに刺す。刺す向きに注意。
  6. この時点で一度パソコン本体を仮組立し、31.5KHzが出ているかどうか確かめる。
    ここで映らなければ、先程外した21.0526MHzのクリスタルオシレーターに刺し戻して24.8KHzの
    ディスプレイを接続して再起動。それでも映らないならICソケットのはんだ付け不良か、クリスタル
    オシレーターの刺す方向間違い。
  7. 本体を分解したのと逆の手順でパソコンを組み立て。ネジ余りに注意。



参考

交換対象となる21.0526MHzのクリスタルオシレーターがある場所を手持ちの3機種を使って図示します。調べた限り、14.31818MHzのクリスタルオシレーターと隣り合っている事が多いようです。

PC-9801RAの場合
PC-9801RA PC-9801RA
CPUサブボードを外したその下にあります。5インチFDDの真下です。
右図のようにICソケットをはんだ付けしておくと後々楽です。

PC-9801FAの場合
PC-9801RA
電源ユニットの真下にあります。

PC-9801UFの場合
PC-9801RA
スピーカー音量調整可変抵抗の後ろにあります。



応用

この例ではICソケットを使いクリスタルオシレーターを交換してしまいましたが、クリスタルオシレーターの出力端子をスイッチで切り替えるような配線にすることにより、24.8KHzと31.5KHzの併用も可能です。また、本来使用されている正方形のクリスタルオシレーターではなく長方形のクリスタルオシレーターしか入手出来ない場合には、両面テープでクリスタルオシレーターを基板上のICの上に固定し、足をリード線で配線する等の工夫が必要です。クリスタルオシレーターの足の配置は長方形でも正方形でも同じはずなので、向きに気を付けて接続しましょう。


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