電子回路において音声を取り扱う場合には、多くの場合入力素子としてコンデンサマイクを使用します。ですがコンデンサマイクの出力は微々たるものであり、そのままではスピーカーはおろかLINEレベルにも達しません。そこで、コンデンサマイクを使用する場合は通常マイクアンプを咬ませてから出力を得る事になります。ここでは、そのマイクアンプの基本形の一例を紹介します。
部品表
| R1 | 抵抗 1KΩ | 茶黒赤金 | 実験回路写真
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| R2 | 抵抗 190KΩ | 茶灰黄金 | |
| R3 | 抵抗 100KΩ | 茶黒黄金 | |
| R4 | 抵抗 12KΩ | 茶赤橙金 | |
| R5 | 抵抗 4.7KΩ | 黄紫赤金 | |
| R6 | 抵抗 150Ω | 茶緑茶金 | |
| C1 | 電解コンデンサ 10μF | 耐圧に注意 | |
| C2 | 電解コンデンサ 47μF | ||
| C3 | 電解コンデンサ 10μF | ||
| C4 | 積層セラミックコンデンサ 0.1μF | 極性無し | |
| C5 | 電解コンデンサ 220μF | 100μF〜470μF程度 | |
| TR1 | トランジスタ 2SC1815 | 2SC型なら大抵代用可能 | |
| TR2 | |||
| ECM | コンデンサーマイク | 多分どんなものでも可 | |
| SP | スピーカー | 実験ではイヤフォン使用 | |
| 電池 | 乾電池 3V | 3Vで回路を設計 |
回路図
回路説明
回路の説明をしてもしょうがないような気もしますが、一応解説しておきます。
ECMはコンデンサーマイクの事で、音により容量が可変するコンデンサです。ここから音声信号を取り出すために+極に抵抗R1を介して電圧をかけ、それを電解コンデンサC1を介して取り出します。コンデンサーマイクはコンデンサなので、音の強弱により容量が変わり充放電することで電圧の変化となるわけです。
TR1は増幅用で、3VをR2とR3で分圧する事によりバイアス電圧約1Vを得ています。シリコントランジスタの性質上、バイアス電圧は0.6V以上あればいいのですが、電池の電圧が下がってきた場合の事を考えて少し上にしてあります。バイアス電流を0.01mAと想定したのでR3の抵抗値は[1V÷0.00001A=100000Ω]で100KΩ、R2は電源電圧から1Vを引いた2Vを0.01mAで割って[2V÷0.00001A=200000Ω]で約190KΩです。
R4とR5によりこの増幅回路の増幅率が決まり、一般にはR4÷R5となりますがここではR5と並列に電解コンデンサを入れているためにTR1のhfe倍…まぁつまりトランジスタの性能限界倍までとなります。コレクタ電流を0.1mAと想定したので、TR1のB-E間の電圧降下が0.6Vと言うことはR5にかかる電圧は1−0.6=0.4Vで抵抗値は[0.4V÷0.0001A=4000Ω]となり約4.7KΩです。C2を付けない素の増幅率を3倍と仮定していたので、R4は4.7KΩ×3=14.1の約12KΩとします。普通はこのR4とR5を先に決めてからR2とR3を決める場合が一般的ですが。C2を入れたことにより増幅率が大きすぎる場合には、C2と直列に適当な大きさの可変抵抗器を入れて調整してみると増幅率を変えることが出来ます。
TR2とR6はエミッタフォロアという名の回路の部品で、増幅はしませんが出力電流を多く取り出せるようにするための回路です。TR2のエミッタ電圧を丁度電源電圧の半分に持ってくると都合がいいので、あとは出力を10mA位欲しいなと言うことでR6は[1.5V÷0.01A=150Ω]で150Ωです。C3とC1はカップリングコンデンサ(結合コンデンサ)という名で、直流を阻止し交流成分だけを通過させるために使用するコンデンサです。音声用なら普通は10μF程度でいいでしょう。ただし、電解コンデンサなので極性には注意しなくてはなりません。どちらの端子側のほうが電圧が高いかを考えます。
回路図ではスピーカーとなっていますが、実験ではイヤフォンジャックを介してイヤフォンをしました。スピーカーにした場合はあまり音が大きく取れないかも知れません。
C4とC5はバイパスコンデンサと言い、電源電流を平滑化するために使用します。意外と重要で、C5などは最初10μFで実験していたら回路の発振が止まらず、試行錯誤の末ふと思って220μFに変えてみたら直ってしまいました。スペースの許す限り大容量の物を使うとより良いかもしれません。C4は高周波ノイズを吸収するためのパスコンで、積層セラミックコンデンサの0.1μFを使うといいでしょう。
あとは電池です。普通の単三電池2本で3Vを作りましょう。この回路自体3Vを前提として設計しているために、1.5Vにしてみたり9Vにしてみたりすると正常に動かない可能性があります。
そして
実はこの実験自体は次に作る予定の簡易補聴器のための研究だったりします。そのため、出力もあまり無い上に音量は固定のままでこのままでは実用性には欠けるかもしれません。次に出る(筈の)簡易補聴器のほうをご期待下さい(笑)
次はトランジスタをもう1〜2個増やして設計する予定です。